経営支援事例
経営支援事例について
商工会の経営支援や役割のニーズが多様化するなか、これまで以上に経営指導員・支援員の伴走型支援が求められるようになっています。
みやき町商工会が行っている「経営支援事例」をご紹介します。
藤村自動車
【会社概要】
昭和50年に現代表が創業。
当社は、長年の経験を活かした「鈑金技術」と、新しい知識も取り入れながらの「車体整備」の両面を自社でできることが強みである。
令和2年に後継者が戻り、現在2人体制で整備にあたっている。
新規顧客も徐々に増え、経営も改善に向かっている。
住所:〒849-0101 佐賀県三養基郡みやき町江口2487-1
電話番号:0942‐89‐3939
ホームページ:https://r.goope.jp/fujimurajidousya/
【業種・従業員数・代表者】
業種:自動車整備業 従業員数:2名 代表者:藤村文夫
【支援内容】
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令和4年度佐賀県中小企業事業承継円滑化支援事業補助金、マル経融資(小規模事業者経営改善資金)
新規顧客獲得に向けて老朽化した事務所を新築し、お客様の待合スペースを設け、気軽に来店いただける空間作りに取組むこととした。
そこで、佐賀県の事業承継補助金の申請を提案し、事業や事業承継の計画書作成支援を行った。
資金に関しては、日本政策金融公庫のマル経融資を活用し、迅速な資金調達を行った。 -
自社HP(グーペ)開設支援
商工会会員であれば無料で作成できるグーペを利用し、HPの開設を行った。
【事業効果】
- 事業承継計画書を作成することで、円滑な事業承継に向けた準備について家族全員で共有できた。
- 事務所の新築により、新規顧客の獲得、従業員のモチベーション向上、顧客管理台帳の作成といった様々な相乗効果が期待できる。
- HPの他にもInstagramを開設するなど、SNSの活用に積極的になった。SNSを通じた問合せも増えてきている。
【事業者の生声】
担当の方との面談を通して、当社の強みや改善できる点を確認し、従業員一丸となって考え、結束できたことが良かった。
「新たに挑戦し変化をしていく部分」と「計画を立てて着実に行う部分」の両面を、客観的・専門的な視点でアドバイスしていただいた。
物価の高騰や社会的に車のニーズが変化している難しい環境下であるが、今後もSNSによる情報発信や時代の流れを取り入れながら、地道に取り組んでいきたい。
自社工場
新事務所外観
新事務所内観
長浜ラーメン喜楽屋
【会社概要】
昭和58年に県道31号線沿いで創業。現在は、国道34号線沿いに店舗を移し営業している。
当店は「うまい」「やすい」「はやい」を3本柱にしており、お客様に対して気遣いや心遣い、思いやりの精神を念頭に長年営業している。
喜楽屋の味を残していきたいという強い思いから、令和2年に後継者が入社。事業承継に向けて、日々新たな取組みに挑戦している。
住所:〒849-0102 佐賀県三養基郡みやき町簑原643-4
電話番号:0942‐94‐9030
ホームページ:http://menkirakuya.com/
【業種・従業員数・代表者】
業種:飲食サービス業(ラーメン店) 従業員数:4名 代表者:大石学
【支援内容】
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小規模事業者持続化補助金<コロナ特別対応型>
サイドメニューで人気の餃子は、これまで全て手作業で行っていたため、多大な時間と人件費を要していた。
社内で協議を行った結果、小規模事業者持続化補助金を活用し、生産性を向上させるために餃子製造機「餃子革命」を導入する運びとなった。
そこで、後継者と積極的に情報交換を行い、申請に向けた事業計画書の作成、採択後のフォローアップ支援を行った。
【事業効果】
- 「餃子革命」の導入によって、従来要していた餃子製造に係る時間・人員を約1/3に削減することに成功。
削減した人員を、当店名物「辛子高菜」の仕込みや接客に回すことが可能となったため、オペレーション効率が飛躍的に向上した。 - 機械での製造により、味にムラのない安定した品質の餃子を実現した。
- 餃子の大量製造が可能となったことから、餃子を使用した新メニューを開始。また、自社ECサイトやふるさと納税にも出品し、より多くの方に触れていただける機会をつくり、新たな販路開拓にも貢献している。
【事業者の生声】
お互いにディスカッションしながらの作業は、事業の強み弱み、今後の課題、可能性等を見出すことができ、大変有意義な時間となった。
「餃子革命」を導入後も、事業の進捗状況を気にしていただき、今後の展望も相談できたりと大変心強かった。
今後も補助金等を活用しながら、当社が地域の役に立つ企業となるには何が必要か、どんな存在価値を見出せるのかを商工会と協議しながら、みやき町を盛り上げることができるような企業へと成長していきたい。
店舗風景
餃子革命
手作り餃子
有限会社木下建設工業
【会社概要】
大正期に初代が左官業を開始。昭和62年に現在の土木工事業を開始。平成元年に法人化。
当社は、主に土木工事業(道路整備、造成、河川、災害復旧)を手掛けている。
長年の経験を活かした、基準に応じた適正な納期・品質・予算での工事が強みであり、地域に貢献している。
住所:〒849-0101 佐賀県三養基郡みやき町原古賀1771-3
電話番号:0942‐94‐2460
ホームページ:https://r.goope.jp/kinoshitakensetu
【業種・従業員数・代表者】
業種:土木工事業 従業員数:2名 代表者:木下正日出
【支援内容】
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知的資産報告書、事業承継計画書の作成(佐賀県事業承継円滑化支援事業(見える化支援)への参加)
後継者は以前から決定しており、数年以内に事業承継を検討していたものの、事業承継に向けた準備が十分ではなかった。
そこで、 円滑に事業承継を進める一環として、当社の知的資産(目に見えにくい経営資源)を掘り出したものを報告書として作成・発表する事業への参加を提案。
事業参加後は、後継者、中小企業診断士、地元金融機関、商工会を交えた積極的な議論を定期的に行い、知的資産報告書・事業承継計画書の作成支援を行った。
【事業効果】
- 自社で当たり前と思ってやっていることが、他社には真似できない強みだと気付き、客観的に自社を見返すことができた。
- 設立の経緯や企業理念など、自社の在り方について再度考える機会が設けられた。
- これまで自社の取組について言語化して来なかったが、専門家等の助言を踏まえながら報告書としてまとめることができた。
- 円滑な事業承継を進めるにあたって、自社が置かれている環境や将来ビジョンについて考えることができたため、当事者意識の醸成を図ることができた。
【事業者の生声】
事業承継も間近となってきたタイミングで、商工会より佐賀県の「見える化支援事業」の話をいただいたため参加しました。
自社の見直しを行い、自社の良いところや課題を専門家からのアドバイスを受け、自分では気付かなかったところを確認できました。
また、自社のこれからの方向性も見えてきました。
今後も商工会の支援を受けて、様々な事業に挑戦していきます。
大富牧場フライングカウ
【会社概要】
平成29年
牧場の生乳を使った商品を販売したいとの想いから、プリン製造販売を主とした「大富牧場フライングカウ」を創業した。
(妻 藍子氏が製造から販売まで一貫して担当している)
令和2年1月
所有する家屋を改装し直売所を開設。毎週金曜日と第三土曜日に、プリンや「農業女子」の農産物等を販売
住所:〒849-0102 佐賀県三養基郡みやき町簑原708
電話番号:0942‐94‐5055
ホームページ:https://r.goope.jp/flyingcow
看板商品“牧場プリン3”
【業種・従業員数・代表者】
業種:飲食料品製造業 従業員数:2名 代表者:大富力
【支援内容】
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佐賀県新たなまちづくりチャレンジ支援事業費補助金
奥様と町担当者の三者で協議を行い、町の連携協力の決裁を受けたのち、申請に向け企画提案書作成支援を行った。 -
小規模事業者持続化補助金<コロナ特別対応型>
直売所は常時開設していないため、無人で24時間販売できる自動販売機を導入し、プリンや農業女子連携による農産物を販売 したいとの相談があり、ヒアリングを重ねて経営計画書作成から申請支援、採択後のフォローアップについて支援を行った。 -
広報(プレスリリース)支援
自動販売機設置による販売開始のPRのため、プレスリリースセミナー及び専門家による個別相談会への参加を勧め、プレスリリースの手法について支援を行った。
【事業効果】
奥様が中心なり始めたマルシェに合わせて、町観光協会とも連携し、長崎街道を散策する歴史ガイドツアーを開催。SNS・新聞・TVでのPR効果もあり、来場者も多く出店者全体(商業者・製造業者・農業者)の認知度が高まり新規顧客開拓に繋がった。
TV番組の特集で、牧場・プリン・自販機のことが紹介されたことが功を奏し、中高生やドライブの途中で立ち寄る県内外の家族連れが増えており、年間売上目標をわずか3ケ月で達成する勢いとなっている。
【事業者の生声】
持続化補助金の計画作成においては、担当経営指導員の方とディスカッションしながら強みやアイデアを徹底的に引き出していただき、完成までに時間はかかりましたが、私の想いが詰まった計画となりました。自販機導入とオープンテラスが整備されたことでマスコミにも取り上げていただいたことで認知度も上がり、ドライブスポットとして立ち寄る人が増え新規顧客開拓におおいに繋がりました。
また地元農業女子のメンバーが生産した果物を活用したシフォンケーキや農産物を販売したことで、メンバーの売上と知名度アップにつながり、結果、経営基盤の安定を図ることができました。今後も商工会の支援を受けて、行政と連携しながら地域を元気にするために失敗を恐れずチャレンジを続けていきます!
ドライブスポット
自動販売機
農業女子と開発したシフォンケーキ
六田竹輪蒲鉾企業組合
【会社概要】
明治20年創業 練り製品製造卸売業を行っている 素材本来の味を活かす昔ながらの製法を続けており、大量生産しているメーカーの商品との差別化を図っている 今まで培ってきた経験と昔ながらの技術継承が強みであり、取引先のニーズに合わせた商品開発も行っている
住所:〒840-1106 佐賀県三養基郡みやき町市武680 / 電話番号:0942-96-2033 / ホームページ:https://www.6ta-kamaboko.com/
【業種・従業員数・代表者】
業種:水産練り製品製造業 従業員数:5名 代表者:石井武俊
【支援内容】
- 補助金を活用して、商談会向け商品の開発として佐賀県内のエゴマを取り扱っている事業所とコラボレーションしたエゴマの蒲鉾の開発を行い都市部商談会向け商品としてのPRを行う。
- 新商品のターゲットである若年層及び女性が気軽に購入できる商品パッケージにするためパッケージデザインの検討及び作成を行う。
【事業効果】
- 商談会におけるバイヤーの評判も上々であり今後5社程度と取引できる見込みである。
- 地方銀行フードセレクションのオンライン商談会に参加予定であり、更なる商談成立が見込まれる。
- プレスリリースを行うことでメディアを通じて広くPRを行い、新商品の認知を高めていける見込みである。
【事業者の生声】
補助金申請の際商工会の支援を受け経営計画を作成。
無事補助金の採択を受けることが出来、計画していた事業を遂行することが出来た。
またプレスリリースを出す際も支援を受け大々的に新商品の発表が出来そうである。
これまで商工会と共に数年間かけて取組んできたことの成果が見てとれて非常に嬉しい。
これからも商工会の支援を受けながら販路開拓に取り組んでいくつもりです。
親身になって相談にのってくれる商工会を今後も頼りにしています。
有限会社フジクラ
【会社概要】
昭和48年設立。管工事・電気工事・機械器具設置及び設備機器販売を行う「プラント総合設備工事業」として運営している。
令和2年に事業承継を実施。事業承継の2~3年前から経営理念や戦略等、経営を一新した結果、近年は毎年増収増益である。
住所:〒849-0102 佐賀県三養基郡みやき町簑原5794
電話番号:0942‐94‐9001
ホームページ:https://yu-fujikura.co.jp/
【業種・従業員数・代表者】
業種:プラント総合設備工事業 従業員数:13名 代表者:牟田晋之輔
【支援内容】
- 経営指導員や事業承継支援員からの支援を受けながら、円滑な事業承継に向けた事業承継計画書を作成した。
- 事業承継を進めていく過程で、現代表がペーパーレス化や労務管理・原価管理についてクラウド活用の必要性を認識。
- 社内でも十分協議した結果、安価で手軽に始められるクラウドサービスを複数導入するに至った。
【事業効果】
- 佐賀県の事業承継補助金を活用し、当社敷地内に重量機器の撤去処理場を設けることで、新たに撤去処理事業を開始した。
- クラウド化を進めた結果、約5%のコストカットに成功。また、コスト削減分を一部給与に還元する取組みを行っており、クラウド化は従業員の満足度向上にも寄与している。
- クラウド実践大賞実行委員会が主催する「全国中小企業クラウド実践大賞2020」に本取組みを応募したところ、福岡大会にて福岡市長賞を受賞。
- 受賞がきっかけとなり、一般社団法人クラウド活用・地域ICT投資促進協議会(CLOUDIL)が主催する「クラウド活用セミナー」において、講師として登壇。当社の実例を用いて中小企業のクラウド活用の有用性について講和し、自社PRにもつなげている。
【事業者の生声】
事業承継は、自社を見直す良い機会になった。
自分ではなかなか気付かない自社の良いところや課題について、商工会からアドバイスをもらい再認識することができた。
建設業は、IT化がなかなか進んでいないと言われているが、商工会に相談しながらクラウドの導入に踏み切った。
業界の良いところは残しつつクラウド化を進めたことによって、様々な好事例を生み出すことができた。
クラウドサービスは安価で手軽に使えるものも多く、小規模事業者の方々にこそ積極的に活用してみていただきたい。
今後も商工会の支援を受けて、様々な事業に挑戦していくつもりです。